第4話

Chapter 4
10,542
2017/12/19 12:43
そのあと私は彼の車に乗り込んだ。

「どこ行くの?」

今更だけど、聞いてみる。

「俺の家。」

「ふーん」

「なんかあっさりしてんな。」

「え?」

「いや、ふつーに考えて、知らない男について行くか?」

いや、それは私も思ったけど…。

「んー、まーね。」

「何かされるかもしれねーのに」

「なっ!それはしないってあなたが言ったんでしょ!?」

「今後、その言葉を真に受けたら痛い目に遭うぞ。」

「うっ、」

何も言えない…。

「どっか寄りたいとこあるか?」

んー、と考える。

「あっ、」

「なんだ?」

「…お酒飲みたい。」

「はぁ?お前、高校生だろ?何言ってんだよ。」

「今日くらい良いじゃない!」

「ダメだ。」

「お願い!あなたが買って来てくれれば飲めるのー!!!」

私は彼の肩を揺さぶった。

「うわぁ!おい!あぶねーだろ!」

ハンドルが揺れる。

「お願いだよー!」

「わかった!わかったから揺らすな!」

「やったぁ!」

「お前、これで事故ったらどーすんだよ。酒も飲めねーだろ。」

「ごめんなさーい」

「お前、気楽でいーな。」

「あははー」

なんだか楽しい。

あのまま、あそこにいたらずっと悲しみに浸って、家に帰っても暗かっただろーな。と思う。

彼について来て良かったかも…。

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