第9話

Chapter 9 ー翌朝ー
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2017/12/07 08:19
「できたよー。」

と声をかける。

トーストとウィンナーと目玉焼きを皿にのせたものを出した。

料理を見た彼は、

「これくらいなら俺も作れる。」

と言う。

「いや、待って、冷蔵庫何もなさすぎだから。」

「あぁ、そうだったか。」

そのまましばらくテレビを見ながら食べる。

「今日はどうするんだ?」

「うーん、直樹さんはどーするの?」

「特に予定は無い。」

「そう…。じゃあ、どっか行こう!」

「どっかってどこだよ。」

「んー、海とか??」

「今の時期行っても入れねーだろ。」

「えー、つまんないなー。じゃあー、」

と言いかけた時、私と携帯が鳴った。

誰からかな?

「もしもし。」

『あ、お母さん。今どこにいるの?』

えっ、帰って来てるの??

「あ、えっと、友達の家に泊まりに来てる。」

『そう。今日、お父さんも帰ってくるから夜ご飯食べようと思って。』

「そう、わかった。じゃあ、早く帰ればいいの?」

『うん。よろしく。』

「わかった。」

と言っている間に切られた。

私って愛されてんのかな?

まぁ、そんなこと気にしても何も変わらないんだけど。

「親からか?」

「うん。帰って来てるっぽい。」

「じゃあ、お前も帰れ。」

やだ…。

私の答えはすぐに出た。

でも…

「…。そうだね。帰ろうかな。」

と立ち上がった。

そのあと、顔を洗ったりして、私はワンピースに着替えた。


「じゃあ、また。ありがとう。」

「おい、待て。これ、連絡先。なんかあったら連絡しろ。」

「いいの?」

「おう。」

「あはは、こんなのくれたら毎日連絡しちゃうよ?」

「別にいいさ。」

「ありがとう。またね。」

とドアを開け、外に出た。


そしてまた直ぐに、

「え、いや、待って。ここどこ?」

とドアを開けて聞く。

すると直樹さんがプッと吹き出して笑った。

「お前、バカだなぁ。」


ドキッと心臓が鳴った。


ちょっと待って。


その笑顔は反則。


今まで笑わなかったのに、そんな笑顔見せられたら…。



好きになっちゃうじゃん。

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