第12話

Chapter 12
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2017/11/21 09:35
「千紗おはよー!」

昨日はあれから結局、直樹さんからの連絡はなく、親との食事も無くなった。

せっかく帰って来たのに、なんだよって感じだよね。

「おはよー」

「あ、そう言えばあなた。今日、日直でしょ?さっき高橋せんせー呼んでたよー?」

「あ!うそ、忘れてたわ。ちょっと行ってくる!」

高橋先生は、私のクラスの担任。そして化学の先生でもある。

髪の毛ボサボサで、メガネかけてて、白衣着てて…。

正直言って、ちょーダサい。

それに、気が弱いし、なんかオドオドしてるけど、何だかんだみんなに愛されキャラになってる。



コンコン

「失礼しまーす。高橋せんせー?」

先生が居るのはいつも化学準備室。

他の先生とあんまり関わりたくないみたい。

「あ、藤咲さん。おはようございます。」

クルッと椅子をこちらに向けた。

「おはよーございます。」

「これ日誌です。よろしくお願いしますね。」

「わかりました。」

と、日誌を受け取る。

すると、チャイムが鳴った。

「あと5分でホームルームですね。僕も一緒に行こうかな。」

よいしょ。

と立ち上がった。


ん?

なんかこの匂いどこかで嗅いだことあるような…。


「藤咲さん?どうかされましたか?」

「あ、いえ。なんでもないです!」

なんの匂いだろう?

「じゃあ、行きましょうか。」

「はい。」

私は先生の後について教室へ向かった。

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