その時、一台の車が通った。
先生!
一瞬、相手が車の方を見た。
今だ。
私は逃げようとした。
だけど私は手を掴まれ、あっけなく押し倒される。
強い…。
こんなにも力の差があるなんて…。
そして、車はそのまま通り過ぎて行った。
よく見れば車が違う。
あぁ、もう…。
男は私の手を上にあげて、しっかりと掴む。
「痛い…」
そう呟くと、口の中にタオルを詰められた。
やだ。
怖い。
すると、男は私の胸を服の上から揉んできた。
いや…。やめて。
私はボロボロと涙をこぼす。
それでも男は怯まずに触ってくる。
すると、服の中に手が入ってきた。
私は強く目を瞑った。
やめて…。
お願い…だから。
誰か…。
先生…。
先生…助けて……。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!