第33話

Chapter 33
5,939
2017/12/03 07:17
「大丈夫か…?」

先生はパトカーが去った後、聞いてきた。

私はその言葉を聞かなかったことにして言う。

「じゃあ、先生またね。来てくれてありがとう。嬉しかった。」

私は作り笑いをしていった。

「お前…」


先生…。


本当は、


本当ね大丈夫じゃないよ。


でもね、先生に迷惑かけちゃう。


だから…。


あ、やばい。


また、泣いちゃう。


私は泣く前に家の中に入ろうとした。


「待て。」


先生は私の手首を掴んで、私を振り向かせた。


あぁ、なんでよ。

引きとめないで。

もう…。


一筋の涙が頬を伝って流れていく。


先生は一瞬驚いたような表情をし、私をしっかり見つめて言う。


「もう一度聞く。」


「大丈夫か?」



「…大丈夫」


「…じゃ、ない…。」



私の目から涙が次から次へと溢れ出てくる。

そして、私は先生に手を引かれて車に乗せられ、先生の家で泊まった。


「おやすみ」

「おやすみ。」

「先生、手…繋ぎたい。」

すると手を握ってくれた。

この温もり、あたたかさが私を安心させてくれた。


ねぇ、先生。なんで私にこんなことまでしてくれるの?


なんで…?


生徒だから…?




ねぇ、先生。教えてよ…。

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