あれから1週間たった。
文化祭の出し物は、結局、メイド&執事喫茶に決まった。
なんだか定番な感じもするけど、うちのクラスは美男美女が多い。
LINEでは嫌だ。とか言ってたけど、意外と早く決まったと思う。
そして先生とは…。
あまり話していない。
先生の家にも行ってないし、準備室にも。
このままいけば、自然と諦められるかもしれない。そう思い始めていた。
でも、それはただの思い込みに過ぎなかった。
その事を私はこの後実感することになる。
「ん?あなたどうした?」
「え?何が?」
千紗が私の顔を覗き込んできた。
「なんか体調悪い?」
「あぁ、うん。頭痛い。だるい。風邪かな。」
「えぇ、保健室行ったら?」
「んー、大丈夫でしょ。ちょっとしたら治るって。」
「本当に?大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫。次化学だし。」
「まぁね、寝てても何も言われないしね」
あはは、と言うものの、頭痛い。
あー、やばい。
ちょっと寝たけど、ダメみたい。
でも、あと10分で授業終わるからそれから保健室行こう。
そんな事を考えながら一人で戦っていた。
先生、早く終わらせてー。
キーンコーンカーンコーン
よかった。やっと終わった〜。
「きりーつ!」
私は立ち上がる。
うわっ。
バンッ
めまいがして、勢いよく手をついてしまった。
「藤咲さん、どうかしましたか?」
「な、なんでもないです。」
やっとの事で返事をする。
あぁ、どうしよう。
本当にやばい…。
「そうですか。じゃあ、号令。」
「気をつけー!礼っ!」
私はそのままドアの方へ歩いて行く。
あぁ、よかっ…。
そう思った時、突然目の前が暗くなり、私は倒れてしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。