第39話

Chapter 39 ー先生目線ー
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2017/12/07 08:31
キーンコーンカーンコーン

「…。」

俺はチャイムの音で目覚めた。

起きるのを待っている間に寝てしまっていたようだ。

「今何時だ…?」

もうすでに外は暗くなっている。

時計をみるとちょうど総下校の時間になっていた。

あなたの方を見る。

まだ少し苦しそうに息をしていた。

もう氷は溶けきっている。

「あなた。起きろ。」

呼びかけても起きない。

「これ本当に風邪なのか?」

そう思いながらも俺は帰りの支度をして、あなたを送ることにした。


先に車に荷物を置いてからあなたを運ぶ。

「よいしょ。」

「まだ若干熱いな…。」

あなたの家に帰る前に一度コンビニで何か買ってからいこうと思い、学校を出た。



あなたの家着く。

「鍵どこだよ…。」

ガサガサとあなたのリュックをあさる。

「あ、あった。」

桜の柄の鈴が付いていた。

チリンと音がする。

「お邪魔しまーす。」

入ったは良いものの、あなたの部屋がどこにあるかがわからない。

「それにしても広いな…。」

俺は1つずつ部屋を開けていく。

「なんだここ。使ってねーじゃん。」

「うわ、物置かよ。」

一人でリアクションをしながら探し、二階も探す。

「あと4つか…。」

かなりの数のドアを開けたのに、それらしい部屋は無かった。

二階へ上がり、向かって真っ正面の部屋を開けて見る。

「あった…。」

女子らしい部屋だった。

他の部屋は特になんの変哲も無い部屋ばかりだったのに。

「綺麗にしてんじゃん。」

本や、服など、整理整頓されていた。

「この部屋も広いな。」

ベッドが置かれ、勉強机の他にも少し低めのテーブル。

ドレッサー、クローゼット、本棚などが置かれているが、それでも部屋の窮屈さは感じられない。

「寂しいだろうな…。」

ボソッと呟いた声が、自分に言っているようでその言葉が胸にしみていった。

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