第45話

Chapter 45
5,662
2017/12/29 09:12
ピーンポーン

インターホンを確認してからドアを開ける。

「よう。ほい。」

と、ビニール袋を差し出された。

その中には、フルーツゼリーや、スポーツドリンク、軽食やお菓子が入っていた。

「ありがとう。」

「あ、あとこれも。」

「ん?何?」

と言いながら紙袋の中身を除く。

「あ!メイド服!」

「いや、本当の目的はこれだから。」

「あはは、忘れてた。」



私は部屋に行き、早速服を取り出した。

「うわぁ〜!可愛い!」

「すごいね!こんなの作れちゃうんだ!」

頭が痛いのも忘れ、キャッキャとはしゃぐ私を見て、先生は

「他の奴らも同じ反応してたぞ。」

と笑った。

「うん!だってすごいもん!」

っていうか、今笑った!?笑ったよね??

「じゃあ、着てみれば?」

「じゃあ…先生あっち向いててよ。」

「あぁ、そうか。悪い、悪い。」

と言いながら、私に背を向ける。

よいしょ。よいしょ。

可愛いなぁ。

こんな可愛い服、私に似合うかな…?

最後にキュッとリボンを結ぶ。

あとは、ニーハイを履いて、カチューシャをつける。

「よし、できた!」

「見ていいか?」

「いいよー」

私を見た先生は目を丸くしていた。

あれ?

似合ってなかったかな?

「あ、似合ってない?ごめん、ごめん。今、着替える…」

「いや…似合ってんじゃん…。」

「え?」

今。なんて言った…??

「つか…可愛すぎてて…なんて言ったらいいかわかんねーわ。」

と、口に手を当て、恥ずかしそうに言う。

ええええええええ!?

普段はそんな事言わないのに!

てか、今の先生可愛すぎ!!

私は顔が真っ赤になる。

しかも、“可愛い”だって!

「そ、そんな事…ないよ…。」

私は鏡の前に立ってみる。

すると、いつもとは違う雰囲気を醸し出している自分がいた。

「な、なんか、別人みたいだね。」

「だろ?」

「うん…。」

沈黙が続く。

なんだか、自分に見とれているみたいで恥ずかしくなる。

「よし、服のサイズもピッタリ!良かった。これで大丈夫だね。」

「そうだな。」

「はい、じゃあ、着替えるからもっかあっち向いてー」

「はいはい。」

私はまだドキドキしながら着替え始めた。

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