(自分に戻ります)
「はぁーい!では、では、、スペシャルゲストの登場でーすっ!」
わぁっと会場が盛り上がる。
美女グランプリに出場する人達の紹介が終わり、私と美紅は、ステージの下から見ていた。
「どうぞっ!」
ステージの傍からでて来たのは…
「先生…!」
来てくれたんだ!
うふふっ、かっこいい先生を拝もう!
「高橋直樹さんでーすっ!」
キャーッと黄色い歓声が飛び交った。
ズキン
やっぱり、みんなカッコいいと思うよね…。
そりゃ、みんな先生の事好きになっちゃうよ。
先生は営業スマイルでみんなに手を振る。
「えーっと、じゃあ、まずは、、恋愛から聞いていっちゃいましょうか!」
司会の人が言った。
「え〜。まぁ、答えられる範囲ならいいですよ。」
先生も笑いながら返していた。
この先生。
好きじゃない…
だって、無理してる感満載じゃん。
千紗が、「どした?」と声をかけて来た。
きっと私は不満げな表情をしていたのだろう。
「ううん、なんでもないよ。」
「そう?」
司会))「じゃあ、好きな人はいますかー?」
先生))「それ聞いちゃいます??」
司会))「はい!聞いちゃいまーす!」
先生))「えーっと、ノーコメントで、」
あははっ、と笑いながら先生は言う。
司会))「えぇー、じゃあ…好きなタイプはズバリ!?」
先生))「んー、優しくて、可愛くて、家庭的な子かな?」
全然当てはまらない…。
司会))「おぉ〜、なるほど。もう、女性のお手本となるような方ですね?」
先生))「まぁ、はい。そうですね」
また笑って誤魔化す。
司会))「まだまだ、たくさん聞きたい所なんですが、時間の関係で…すみません!」
先生))「大丈夫ですよ。」
その後、グランプリの投票に移り、1時間後に投票結果が発表されるらしい。
その間、私達は一度店に戻ることにして、会場を後にした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。