第72話

Chapter 72
5,013
2017/12/29 09:30
「萌え萌えキュンキュン美味しくなぁーれ!どうぞ!」


今日、何回目だろう…。


こんなにHPが減ることはない…。


「わぁー!可愛い!」

他校の女子3人組がキャー、キャー、している。

私は、裏に戻る。

「はぁ。」

カーテンを閉める。

「あなたもかなり疲れてるみたいだな。」

えっ?

後ろから声がした。

「先生…じゃなくて、直樹さん…お疲れ様です。」

「おう」


…やっぱり、気まずい。


文化祭が始まる前に話したけど、スッキリしない。


何を話せばいいかわからない。


いっそのこと…



いっそのこと私をめちゃくちゃに傷つけて欲しい。



そしたらきっと、先生の事、嫌いになれるのに…。



「なぁ、さっき話してたことだけど。」

「さっきって?」

「文化祭始まる前だよ。」

先生はそう言いながら、椅子から立ち上がる。

「あぁ、どうしたの?」

「あれ、“なんで私にここまでしてくれるの?”ってやつさ、」

「うん、」

「もし、俺がグランプリとったら答えてやる。」

そう言い残して先生は戻っていった。


え…?


どう言うこと?


ただ単に私が先生の生徒だったからじゃないの?


私の頭の中は色々な考えが駆け巡る。



先生…早く教えて。

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