「では、第3位から1位の方は前に出てください〜!」
と、司会の人が言い、私は一歩前へ出る。
「まず、第3位に選ばれました、岩崎美桜羽さん!おめでとうございます!」
そう言った後、美桜羽さんにマイクを傾ける。
司会がインタビューをする形で話を進めるようだった。
「ありがとうございます。」
想像通りの優しく、可愛らしい声だった。
そのあと少しだけインタビューをして、
「では、最後に一言お願いします!この一言で告白したりするのもありですからねぇ〜??」
と、司会者が言い、美桜羽さんが少し照れていた。
「えっと…選んでいただき、ありがとうございます。嬉しかったです…で、いいかな?」
あぁ!可愛い!
最後の、ちょっと照れたように、『で、いいかな?』は、やばい!
「ありがとうございました!」
「続いて、第2位に選ばれました、藤咲あなたさんです!おめでとうございます!」
先ほどと同じようにマイクを傾けられる。
「あ、ありがとうございます。」
「いやぁ、本当にメイド服がお似合いねですねぇ。」
「そうですか??ありがとうございます。3階の2-1でメイド&執事喫茶をやってるので、是非いらしてください!」
番宣もバッチリ〜!
「おっ、ちゃっかり番宣ですね!?いいですよ〜。
あ、そうだ。第1位の方が一般の方なので、校内では一位ってことになりますが、お気持ちは!?」
そうなのか!
「あ、えっと、素直に嬉しいです。」
「では、最後に一言お願いします!先ほども言いましたが、告白大歓迎です!」
うふふっ、と司会の人は言う。
あー、どうしよう。告白って言っても、もうしたし…。
んー、、
それなら…
と、私はチラッと千紗を見る。
すると、千紗は頷いてくれた。
そして私も頷き返す。
よし。
「えっと…」
私はそう言いながら先生を探す。
どこかな…?
「私には好きな人がいます。」
「告白は…しました。」
「その人を好きになっちゃいけなかったのかもしれない。」
「それに、その人にいっぱい迷惑をかけたかも…。」
「でも…」
あ、いた…。
先生は私の事をジッと見つめていてくれた。
先生…
私は、
「私は、あなたを好きになれて良かった。」
「ありがとう。」
私は先生に微笑んだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!