第85話

文化祭2 ー2日目ー
5,015
2018/01/03 11:09
コンコン
あなた

失礼しまーす。

私は、ひょこっと顔を覗かせる。
先生
あぁ、お前か。
いつものようにクルッと椅子をこちらに向けた。

そして私は、少し不満そうに言う。
あなた

何?残念だった??

先生
いや、クラスの奴かと思っただけだ。
あなた

ふーん。

あなた

今日も直樹さんになるの??

そう聞きながら近くの椅子に座る。
先生
どーすっかな。
接客、疲れるし、やりたくない。
でも、この姿じゃちょっとあぶねーから。
あなた

じゃあ、やったら?

先生
うん、そーだな。午前中限定にするか。
あなた

うん、いいんじゃない?
今日は、私も千紗も、シフト少ないから。

先生
おう。
すると先生は、立ち上がり、窓を除いた。

準備室は、ちょうどグラウンドが見える位置にある。
あなた

どしたの?

何かあるのかと思い、先生に問う。
先生
いや、別に。
そう言うと、窓にもたれかかった。
先生
…にしてもお前…
先生が何かいいかけた時…

コンコン

と、ドアがノックされた。


なんとなく、『どうしよう。』って思った。

いつもなら、先生の手伝いとか言って誤魔化せるけど、

文化祭には興味なさそうな先生の手伝いって…。


私はとっさに思いついた演技をした。
あなた

せ、先生!!
直樹さん呼んで下さいよ〜!
先生はうちのクラスの売り上げに…

私が言っている途中に誰かが入ってきた。

私はドアを見る。

そこには…
青木先生
ごめんね、あなたちゃん。
俺でした〜。
あなた

なっ!青木先生!

青木先生
なんかさ、直樹のクラスの女子が、『高橋先生に急用があったんじゃないんですかー??』
とか、色々言われて、何か直樹の方が用あるのかな?って思ったから来てみた。
あなた

あ、ごめんなさい。それ言ったの私です、、

青木先生
え?どうゆうこと?
先生
昨日俺が、“直樹さん”として店に出たろ?
そしたらみんなが、メガネ外したり、服とかどうにかすればイケメンになるんじゃね?
みたいなこと言い出して、危なくなったから、
あなた

その時、とっさに、『先生!青木先生が急用がある!って言ってました!』って言っちゃって

うん、そう言うこと。と言うふうに先生は頷く。
青木先生
なるほど、って事は用事は無いのね。
先生
あぁ、ない。
青木先生
そっか。まぁ、いいんだけど。
あ、そうだ。
あなたちゃん、昨日の『萌え萌えキュンキュン』可愛かったよ〜!
め、面と向かって言われるとさらに恥ずかしい…
あなた

あ、ありがとうござます。

私は赤くなりながら言う。


すると、私のスマホが鳴った。

あなた

『もしもし』

『あ、あなた?』
あなた

『ん?どした?陸。』

『あなた今どこにいんの?』
あなた

『え、なんで?』

『いや、今お前メイド服着てる?』
あなた

『うん、着てるよー?』

『んじゃ、校門前に来て。呼び込みするぞ。』
あなた

『おっけー。今行く。』


私は、電話を切る。
青木先生
何かあったの?
あなた

えっと、今から呼び込みに行って来ます。
なので、先生。早く着替えて、行くよ。

先生
え、なんで俺まで?
あなた

午前中働くって言ってたでしょ?
早く〜!

私は、先生を急かすように言う。
先生
わかったよ。
着替えるから廊下で待ってろ。
あなた

はーい。


私は、廊下に出て先生を待った。

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