(はっ!やばい!思わず声が出ちゃった、、気づかれては…ない。よかった、大丈夫そうだ。)
(って大丈夫じゃない!!どういう事?どうしてグクは美晴先輩の血を吸ってるの?あんな牙も、いつも大きく口を開けないから全く気が付かなかった…)
とにかく逃げて、明日別れを告げよう。そう決めた。いくら好きでも、相手は人間ではない。人の血を吸う、、吸血鬼(ヴァンパイア)なのだから。
(よし、今なら逃げれるかも、、!)
出口へ向かおうとしたその時
(え、ジョングク、?どういうこと!?さっきまで奥の部屋で美晴先輩の血を吸ってたはずじゃ…)
"食事タイム" その言葉にゾッとする。
とにかくこの場から何とかして抜け出さなきゃ、
大丈夫。声は震えていない。笑顔も引きつってないはずだ。今にもしゃがみこみそうになるのをぐっと堪えて、私は必死に笑いかけた。
声色が変わった。よく見ると、目の色も赤紫色に光っている。人間味の無い白い肌には、美晴先輩の赤い血がよく映えている。
恐怖で動けない。足が小鹿のようにブルブルと震えている。
え、でも顔白くして横たわってるけど…?
怖すぎて、状況が急展開すぎてなにも考えられない。
(この状況、、いったいどうすれば、、)
おどおどしていると、ジョングクはニヤリと笑ってこう言った。
………え?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。