ジョングクとテテとジミンが帰ってきた。
家の鍵は開いているのに、あなたの声はない。
掃除機などが出しっぱなしにされていることに、ジョングクは違和感を覚えた。
ジョングクの声が震えていることに気がつき、テテとジミンは動きを止める。
それは、几帳面な性格のあなたの癖だった。
状況を把握したジミンが、慌ててあなたに電話をかける。
(プルプル)
あなたの電話の着信音が鳴る。
音を頼りに探すと、ソファの下に落ちていた。
その時、ジョングクの携帯に、非通知で電話がかかってきた。
ジョングクはすぐにそれに出た。
機械的な音声でそれだけ伝えると、電話はすぐに切られた。
玄関のところにあるポストに目をやる。
するとそこには、いつからあったのかわからないが、通話が繋がり続けている携帯が入れられていた。
ビデオ通話になっているその画面を見る。
そこには、服をズタズタに切られ、足を大きな鎖で繋がれ、首輪をされたあなたの姿があった。
二人が慌ててやってくるが、ジョングクはそんな姿のあなたを、他のやつに見せたくなかった。
しかし、そんなことを言っている場合ではない。
渋々、その画面を二人に見せる。
あなたは、ローターのようなものを付けられ、声が出ないように必死に耐えている。
3人は慌てて外へ飛び出した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!