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第1話

飛ばされた帽子
2,393
2017/11/18 13:15
あなた

あっ…

被っていた帽子が強風に煽られて飛んでいく。

追いかけたけれど、木に引っかかってしまった。
おじさん
うーん…!
ごめんね、届かないや…
ジャンプしても届きそうにない。

通りがかったおじさんが取ろうとしてくれたけど、木が高すぎてだめだった。

泣きそう…
あなた

ママがくれた大事な帽子…

おじさん
梯子取ってくるよ…って、あれ?
ぼく、何してるんだい⁉︎
お兄ちゃん
ぼくっていうな!
子供扱いすんじゃねぇ‼︎
お兄ちゃん
ほらよっ
小学校6年生ぐらいのお兄ちゃんが、器用に木に登り始めたかと思うと上から帽子を投げてくれた。
あなた

ありがと、おにーちゃん!

お兄ちゃん
どーいたしまして!もう飛ばすなよ!
そう言って私の頭をわしゃわしゃと撫でた後、帰っていく。

おじさんにはキレてたし顔もちょっと怖かったけど、とても優しいんだ…

私は嬉しくなって、帽子を抑えながら家へ向かった。

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