第5話

いつか、また…
1,948
2017/11/19 15:31
出会ってから、私たちはほぼ毎日一緒に遊んだ。

気付けば私は小学4年生、お兄ちゃん達は中学3年生になっていた。

おー、あなた!
って、どうした⁉︎
智里
え、なんで泣きそうな顔してるの…?
あなた

あ、のね。
言わなきゃ、いけないことが、あってね。

その日はよく晴れていた。

ほんとは今日は川で遊ぶ予定だったのだ。

あんなことに、なるまでは…
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〜あなたの回想〜
お母さん
あのね、あなた。
ごめんね…
朝起きてくると、お母さんが悲しそうな顔でそう言った。
あなた

え、何が?
何の話…?

お母さん
落ち着いて聞いてね?
あなた

うん…。



































お母さん
引っ越すことに、なったの…。
あなた

…え⁉︎
なにそれ…いつ⁉︎

お母さん
それがね、今日…なのよ。
あなた

今日⁉︎
いきなり⁉︎

お母さん
ごめんね、本当はずっと前から決まってたんだけど、
あなたに言い出せなくて…
あなた

は⁉︎何言ってんの⁉︎
え、というか引っ越す準備とか全然できてないじゃん
家具とか、1日で荷造りなんてできないでしょ⁉︎

お母さん
家具は引っ越さないのよ、
それに…お母さんも。
あなた

ちょっと待って、本当に意味わかんないんだけど…
1人で引っ越すの?どこに?なんで?

お母さん
そう…あなた1人で。着いたら分かるわ、全部。
ごめんなさい、こんなことになってしまって…
あなた

え、謝って済む問題じゃないよね⁉︎

お母さん
本当に、お母さんのせいで…
その後は荷造りをさせられた。

引っ越す、しかも1人で。知らない場所に。

もう混乱していた。

反抗しようとしたけれど、お母さんの悲しそうな顔を見たら従うしかなかった。
気付けば、いつも土手に集合していた時間。

伝えなきゃ、この話。
お別れしてこなきゃ…

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あなた

だから、もう…

佑樹
そう、だったんだ…
あなた

だから、もう、会えない、ね…
今日優と康浩来てないけど、よろしく言っておいてね?

そんな!
おれ、嫌だよ!
智里
俺も、あなたと離れたくない…。
秋人
急、過ぎるよ…。
違う…
あなた

えっ?

違うよ、お別れなんかじゃない。
大人になったらまたこの街に帰ってこいよ!
また会おうぜ!
あなた

…うん!








小さな子供たちの、小さな約束。

果たされる時は、来るのかな…。

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