第6話

Fischer'sとの出会い
1,966
2017/11/19 17:22
あの日。

お母さんやあの街、そしてお兄ちゃん達と別れて連れて行かれたのは…







“児童保護施設”








分からなかった。

何が起こっているのか。

なぜこんな目に合わなければいけないのか…。







ずっと、部屋に引きこもって過ごした。

当然、私を引き取ってくれる家庭なんてなかった。

周りには沢山の子ども達がいたが、誰とも話さない。








そうして一人ぼっちで7年。

私は今日で17歳になる。
職員さん
あなた?
職員さんの声が、部屋のドア越しに聞こえる。

この人は、食事などの面倒を見てくれている。

唯一、話す人でもある。
…必要最低限のことだけだが。
あなた

なに?

職員さん
渡したいものあるから、入っても良い?
あなた

いいけど。

ガチャ
職員さん
失礼しまーす
職員さん
はい、これ!
あなた

なにこれ?

職員さん
開けてみて?
ガサガサ…
あなた

え、…スマホ?
なんで?

職員さん
そう!
お誕生日、おめでと!
あなた

あ、ありがと?

職員さん
わ、あなたが笑ったとこ初めて見たかも…
可愛い〜!
あなた

うるさい。
出てって。

職員さん
怒んないでよ、も〜!
じゃ、また後で来るねー!
あなた

はいはい。

職員さんは帰って行った。

私はスマホをいじり始める。

…なにしよう?

そういえば、今年の流行語大賞にYouTuberがノミネートされてたな…

見てみるか。





あなた

え、何この人たち!
面白いんだけど…!









これが、私とFischer'sの出会いだった。

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