あの日。
お母さんやあの街、そしてお兄ちゃん達と別れて連れて行かれたのは…
“児童保護施設”
分からなかった。
何が起こっているのか。
なぜこんな目に合わなければいけないのか…。
ずっと、部屋に引きこもって過ごした。
当然、私を引き取ってくれる家庭なんてなかった。
周りには沢山の子ども達がいたが、誰とも話さない。
そうして一人ぼっちで7年。
私は今日で17歳になる。
職員さんの声が、部屋のドア越しに聞こえる。
この人は、食事などの面倒を見てくれている。
唯一、話す人でもある。
…必要最低限のことだけだが。
ガチャ
ガサガサ…
職員さんは帰って行った。
私はスマホをいじり始める。
…なにしよう?
そういえば、今年の流行語大賞にYouTuberがノミネートされてたな…
見てみるか。
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これが、私とFischer'sの出会いだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。