第11話

いつか、また… (亮Side)
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2017/11/23 05:45
あなたは、俺らが小6の時からほぼ毎日一緒に遊んでいる女の子だ。

この4年間で最早妹のような存在になっていた。

今日も学校終わり、土手であいつが来るのを待つ。
秋人
お、あなた来たんじゃね?
おー、あなた!
って、どうした⁉︎
智里
え、なんで泣きそうな顔してるの…?
泣きそうな顔…?

本当だ、何があったんだろ…
あなた

あ、のね。
言わなきゃ、いけないことが、あってね。

あなた

今日の朝起きたら、お母さんが…






あなたの話は到底信じられなかった。

なんだよ、1人で引越しって。
しかも今日急に…

お別れなんて、嫌だよ…
あなた

だから、もう…

もう、会えないのか…
佑樹
そう、だったんだ…
あなた

だから、もう会えない、ね…
今日優と康浩来てないけど、よろしく言っておいてね?

もう、会えない…

ん?
そんなことない。

また会える!
そんな!
おれ、嫌だよ!
俺も嫌だよ…
智里
俺もあなたと離れたくない…。
俺だって、離れたくねぇよ…。


でも、二度と会えない?


それは…
違う。違うよな…
違う…
あなた

えっ。

あっ…
声に出しちまった…

急につぶやいた俺に、その場にいた全員の視線が集まる。

俺は、無理やり笑顔を作って言った。
違うよ、お別れなんかじゃない。
大人になったらまたこの街に帰ってこいよ!
また会おうぜ!
あなた

…うん!

あなたは、目に涙を溜めながら今まででいちばんの笑顔で頷いた。

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