第2話

部活
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2017/11/18 06:57
俺は中学時代バスケ部に入っていた。
けど俺は、高校ではバスケ部には入部しない。
俺は奏音と同じ部活に入ると決めた。
こいつを一人にするのはなんだか心が休まらないから。

「…"蓮はなんの部活にするの?バスケ部?"」
「ちげぇよ。奏音が教えてくれたら教える。」
「…"なにそれ!まぁいいけど…。"」
「なににすんの?」
「…"写真部に入る!すごく楽しそう!"」
「あー、お前中学生の時から言ってたもんなー。」

もちろん俺は写真部に入る。
まぁ、最初に言った理由の他にも俺は風景画を描くのが好きだった。
けど、絵を描く時間なんてほぼない。
だから、せめて風景の写真を撮りたいと思った。
そう考えたら、写真部はありだな。

「俺も写真部入ろうと思ってた。」
「"ほんとに!?一緒の部活になれるの!?"」
「んぇ?まぁ…そう、なるな?」

奏音は下を向いたが多分喜んでいるんだと思う。
こいつは嬉しくなったら髪を触る。
今も下を向きながらも肩まである髪を触っている。

「そういや、お前カメラあんの?」
「"これから買う!蓮も一緒に買お!"」
「そういうと思った…俺は持ってるからお前のだけ買いに行こーぜ。」
「"そなの?わかった!じゃあ、今週の土曜日行こ!"」
「分かった。お金はあんのか?」
「"あるよ!楽しみ!"」

ふわっと奏音が微笑んだ。
こういう笑顔は誰にも負けてないと思う。

クラスも部活も一緒。
こんなに上手くいくとは思わなかった。
けど、それはこの1年だけだろう。
来年は……なんて考えるのは早すぎる。
今は目の前のことをやっていかないとダメだ。

どうかこの1年。
こいつを変える何かがありますように。

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