第3話

席 Ver.蓮
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2017/11/18 07:35
部活もクラスも一緒になれた。
だが一つ難問がある。

それは……『席』だ。

席はどうあがいても同じになれる気がしない。
出席番号なんて…誰が必要なんて言ったんだよ…。

「えとー…」
「"笹野 奏音です!"」
「え?あっ…笹野さんね。よろしく。」

あー、ほら。
近くの席の人は絶対に名前を聞く。
その度に奏音はあの紙切れを出さないといけない。
不思議に思われても仕方がない。

「隣よろしくね」
「は、はい!あ、えと。宮本 蓮です、。」
「私は襟元 咲希。あとタメ口でいいよ?同級生だし。」
「え?あー、そうだね…(苦笑」

ほんっとうにこういう会話は嫌いだ。
というか人と話すのは久々の気が!?
もちろん奏音とは会話する。
だがあいつは文字だ!襟元さんは口だ!
全然違うんだよ…

「宮本くんはなんの部活にするか決めた?」
「えと、写真部。」
「ほんとに!?実は私もなんだー(ニコッ」

へー…、。
……え?同じ写真部…?

「まじですか!?」
「びっくりした…う、うん…そだよ?」

いや、別に驚く理由はそこまでの事じゃないけど普通驚くよな。うん。
だってたまたま隣の席の人と、たまたま話して、
たまたま部活が同じになったんだ。
…どんな偶然だよ。
けど…話せる相手が増えたのはいい事…なのか?

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