どうしよう…蓮と離れちゃった…
蓮と離れるとこんなに心細いんだ…
みんなになんで喋らないのって聞かれたらどうしよう!?
というか…まず話しかけてくれなそう…
あー、もお…すごく心配…
「ねぇ?」
「っ…!?」
私は声を殺して振り返った。
「えと…隣の席、なんだ。よろしくな?」
「…"よろしくお願いします"」
「名前はっ?」
「…"笹野 奏音です"」
「僕は雨宮 海斗。海斗って呼んでいいよ(ニコッ」
「…コクッ」
私は少し戸惑いながらも静かに頷いた。
私に…話しかけてくれた…
というか、すぐ会話終わっちゃった!
どうしよう…嫌われた!?
いやでもでも…
「喉。痛いの?」
「…"違うよ"」
「そう、なんだ。」
「…"うん"」
……喉痛いの?=なんで喋らないの?
だよね…はぁ……
蓮がいないと心細いな…
というか!
喉痛いって言っておけばよかったぁ…
喉痛いって言えば、
喉痛い=喋れない
になったのにー!!
ほんとにバカだな私…
こんなので私…高校生活やっていけるのかな…
「……ねぇ。」
私は海斗くんの方を恐る恐る向いた。
「お昼とか。もしよかったら一緒に食べない?僕一人だしさ…(苦笑」
一人…なんだ……、。
「…"いいよ。一緒に食べよ。"」
「え、いいの?ほかの人とか…」
「"大丈夫!"」
「そか…よかった…(ニコッ」
ほんとは蓮と一緒に食べたかったな…
けど、一人って言われたら…自分と重ねちゃうから…さ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。