どうしよう、どうしよう、どうしよう…
もう少しで私の番だ…
先生どうしよう、蓮どうしよう…
「次の生徒。自己紹介。」
「っ…!!」
ガタッと勢いよく立ってしまった。
一気に注目された…最悪、だ…。
「"笹野 奏音です。友達ができるように頑張ります。"」
やばいやばい…みんなの頭の上にクエッションマークが10個以上浮いてるよきっと!
けど…大丈夫…もう自己紹介は終わったから…
えと、次は海斗くん、かな?
「あ、雨宮 海斗…です…。部活頑張ります…。」
え…?声小さい…え?今喋った?
いや…喋らない私が言うことじゃないけど…
もしかして人見知り?
いやいや…私にはあんなにフレンドリーだったんだひそんなことはないはず…
でもさっき、僕は一人だからって言ってたよね…
って事は本当に人見知り?
それかコミュ障…?
……もう考えるのはやめよう。
「"大丈夫?"」
私は冷や汗をかいている海斗くんが心配になり紙切れを海斗くんの机の上に置いた。
「え?あ、うん。ありがと…(ニコッ」
笑ってる…なら大丈夫かな?
こんな人だけど…この人となら友達になれる、かもな…。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。