入学式が終わり高校生になってから二日目。
まだまだ学校にいくには緊張がある。
そんな中、自分で弁当と朝飯を作る。
これはいつも通りの生活だ。が。
今日からは一つやる事が増える。
奏音の家へ迎えにいく。
全ての準備が終わり奏音の家へと向かう。
アイツの家には何度も行ったことはあるがこうやっめ行くのは初めてで少し緊張する。
「奏音ー!」
インターフォンを押してアイツの名前を大声で呼ぶ。
きっと寝癖直さないで急いで出てくるんだろうな。
そんな事を考えてたらバタバタと足音を立てながら一つの足音が家の中から聞こえる。
足音が止まるとすぐにドアが開いた。
「"おはよ!"」
「ん、おはよ。行くぞ。」
やっぱり。寝癖立ってる。
いつもこいつはそうだ。
「寝癖また直ってねぇぞ?」
「"うそ!?さっき直したのに!"」
「あー、ちょっと。余計寝癖立ってるってw」
こいつは急いで寝癖直そうとすると余計悪くなる。
「ほら、直してやるからこっち来い。」
「……。」
こいつは素直に俺のそばに来てくれる。
これが俺だけだったらなんてバカな事を考えてしまう。
「"ありがとう!"」
「どういたしまして(ニコッ」
こいつがずっと喋らなくても…
俺のそばにいて…俺に笑顔を見せてくれるなら。
それだけでいいと思えた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!