第17話

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2017/11/20 11:44
最近、奏音が海斗の所へ行く。
俺と二人きりになるのは登校と下校の時だけ。
それがなんだか最近……ムカつく。
寂しいんじゃない、ムカつくんだ。
海斗が羨ましい。海斗になりたい。
"奏音に好まれるような男になりたい。"
そう願うことがとても増えた。

今日の減るだってそうだ。
また奏音は海斗の所へと行った。
もちろん俺は咲希と一緒に弁当を食べた。
奏音がもしOKを出してたら奏音の所へ行っていただろう。

……今日帰ったら姉さんにLINEで聞いてみよっかな…
よし、そうしよう。

ドンッと音と共に背中が痛くなる。
またアイツか……そう思い振り向くと…

「れーん!(ニコッ」
「えっ…」
「ん?蓮?どした?大丈夫かー!」
「あ、いや…おう。大丈夫…」

背中にぶつかってきたのは咲希だった。
だが…一瞬だけ……奏音に見えた。
奏音が声を出して…俺の名前を呼んでくれたのかと思った。
咲希はどこか…奏音に似ている所がある、。

「写真部の宿題覚えてる?」
「あー、うん。1番好きなものを写真に写すやつでしょ?」
「そそ!お題何にしたっ?」
「俺はまだ決めてないな…咲希は?」
「私は秘密ーw」
「なんでだよw教えろってのー!」
「蓮がお題決めたら教えてあげるー!」
「ほんたにお前は…w」

お題…か……
1番好きなもの…好きな、もの、。
この宿題は…好きな"人"でもいいのだろうか。
いや、俺はアイツのことしか思い浮かばない。
だから、俺のお題はアイツしかいない。
アイツじゃないとダメだ。

絶対に…海斗なんかに渡さない…
アイツだけはっ、。

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