第29話

知りたい気持ち
90
2017/11/26 09:07
昨日は…色々あったな。
まずは今日。教室に入ったらすぐ咲希に謝らないと。

咲希はいつも俺より先に教室にいる。
………今のは別に…ダジャレじゃない…

教室に入るといつも咲希がっ……って…

「いない…」

咲希が席にいない。
何故だろ。休み?もしかして風邪か?
いや、昨日までは元気だった。
ならどうして…

「おはよう」
「えっ、あ、おはよう」

そんなことを考えていると咲希が後ろに立っていた。

「あ。えと…咲希、昨日の放課後は…ごめん…」
「あー、私を1人置き去りにしたこと?w」
「……うん。」
「別に大丈夫だよ。気にしてないし!」
「そっか…」

咲希ならそう言ってくれる。
心のどこがでそう思っていた。

「あ、今日の放課後教室にいて?言いたい事あるから」
「え…あー、うん。分かった。」

なんだろうか…
説教……とかではないか。うん。

「別に怒ったりとかじゃないよw」
「わかってるよw」

あぁ、なら安心して残れる。
じゃあ…奏音にLINEで伝えとくか。

__放課後_

安心して。とは言ったが正直警戒心はある。
咲希の事だから何か仕掛けてくるかもしれない。
俺はトイレに行っていたため、教室に恐る恐る戻っていると…

………咲希の歌声が聞こえる。
気づかれないように教室を覗く。
少し癖のある歌い方がなんだか…奏音の昔の歌声に似ていた。

少しためらったが、声をかけなければと思い俺は教室に堂々と入っていった。

「うぉっ、。ビックリした…」
「……咲希って歌うたうんだな」
「聞いてたの!?」
「少しだけだなら安心しろw」

半分くらいは聞いてたが、
それを言ったら腹に蹴りをいれられそうだからやめておこう。

「それで、なんで教室?」
「あっ…えと……あの、さ。」
「…?」

咲希はいきなり弱々しくなった。
さっきの大声はどこへいったか分からないくらい声が小さくなった。

「蓮ってさ……」
「うん」
「好きな人……いる?」
「……えっ…?」

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