「んー!んー!」
必死に抵抗しても振り切れなかった。
やだ・・やだ・・・。先生!助けて・・・!
ポロ・・ポロ・・・。
「はあ・・・」
力が緩んだから振り切った。
「な、何するんですか!」
パッシ!とほっぺを叩いた。
「ふざけないでよ!」
泣きながら去っていった。
「もしもし」
先生と私は毎日電話する約束をしていた。
『もしもし。どうだった?学校』
「うん・・。綺麗な学校だよ」
『何かあったのか?』
「今日・・裕紀先生にキスされた」
声を震わせながら裕紀先生にされたことを話した。
『今から会おうか』
「うん❤️」
制服の上に一枚着て窓から出た。
~一時間後~
「先生・・・」
先生の車を待っていた。
「寒・・・」
「なあ!彼女♪」
不良に絡まれた。
「・・・」
「無視すんなよ」
「・・・」
ブッブー!
「ああ!?」
先生だ❤️
「俺の女だ」
先生の車に乗った。
「ありがとう。先生」
「・・・」
その日は先生の家に泊まった。
「先生・・?」
「昔、俺と裕紀は同じ女の人をスキになったんだ。」
「そうなの?」
「でも、俺の方が上手くいってあいつは上手くいかなかったんだ。その事を恨んで俺がスキになる人を奪おうとするんだよ。」
「・・・」
「ちゃんと話しつけるから」
「うん・・・」
次の日の放課後。
裕紀先生に呼ばれた。
「なんですか?」
「兄貴に話したの?昨日のこと」
「はい。私の旦那さんですから。離れてるけど私と先生は夫婦だから」
「・・・。」
「だから、もう私たちに関わらないでください」
「ふう~ん。じゃあ俺も言うからキスしたこと」
「私たちはそんなんで別れません」
「ふうーん・・」
口を押さえられた。
「・・・。」
震えるのを止めて目をつぶった。
「怖くないんだ。俺の事・・・」
口から手が離れた。
「私は・・」
ガラガラーーー。とドアが開いて女の子が入ってきた。
「何してるの?こんなところで」
隣のクラスの春背レレナちゃん。(ハルノレレナ)。
最近、仲良くなった。
「・・・。」
「りんちゃん。」
「レレナちゃん・・・」
その後。
ファミレスでお茶をしていた。
「私もなんだ。教師のお嫁さん」
「えっ!?そうなの?てか、なんで私が教師のお嫁さんって・・・」
「みんな知ってるよ。」
「そうなの!?」
「うん。」
クスクスと二人で笑った。
「赤ちゃんがね、いるの。お腹のなかに」
「え?」
レレナちゃんは、お腹を撫でた。
「何ヵ月?」
「四ヶ月だよ。」
「相手はどんな先生・・・?」
「優しくてね、ツンデレでね。社会の先生なんだ」
「そうなんだ・・・」
レレナちゃんは女子と話すときは女子。
男子と話す時は強気だった。
「りんちゃんの旦那さんは?」
「先生は・・優しくてツンデレだけど大切にしてくれてて・・・」
「何の教科の先生?」
「えーっと・・・数学?」
「もっとりんちゃんの事知りたいから、LINE交換しない?」
「うん♪いいよ!」
LINEを交換した。
「おかえりなさい。先生♪」
今日は先生の家にお泊まりする。
「ただいま。」
「お風呂にする?ご飯にする?」
「まず、着替える」
「待ってって」
実は今日。
先生に大切な話がある。って言われてて何かは知らさされてない。
良い話なのか、悪い話なのかも知らない。
「風呂入ってくるから」
と、先生はちょっとイライラしていた。
「・・・?」
今日の夜ご飯は、手づくりハンバーグとスープ。
ジュージュー。
ハンバーグを、フランパンに入れた瞬間にシャワーの音がした。
「~♪」
鼻歌を歌いながら料理をしていた。
「なあ。」
「ん?なに?先生♪」
「今後について真面目に話さない?」
「うん・・・」
なぜか先生は決心した目をしていた。
私はハンバーグを盛り付け終えて先生の前の席に座った。
「今後事って?」
「このままだと、絶対に上手く行きそうにないんだ」
「ど、どういう意味・・・?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。