「どういう意味・・・?」
そう言うと先生は・・・。
「やっぱり無理なのかもな。俺たち」
「え?なんで?」
「だって、先生と生徒だし。学校も違うし。」
「だからなに?それが大切なの!?」
泣きながらそう言うと、先生は困って・・・。
「考えてみる。今日は帰ってくれ」
「え・・・?先生・・・」
無理矢理そとに出された。
「う・・・グス・・・」
ポロ・・・ポロ・・・。
大粒の涙が出てきた。
泣きながら歩き出した。
「ねー♪なんで泣いてるの?なぐさめてあげるよ~♪」
不良に絡まれた。
「や・・・」
「何やってんの」
先生の声・・・。と思ったら、祐樹先生・・・?
「何だよ!てめえ・・・」
「その子は俺の生徒だ」
「何それ。せんこうか?」
アハハ。
泣きすぎて前が見えない。
智輝先生なの・・・?裕紀先生なの・・・?
「大丈夫?」
不良達が逃げていくのが見えた。
「先生・・・?迎えに来てくれたんだ・・・」
私は泣きすぎてすっかり先生だと思い込んだいた。
「家に行こうか・・・」
手を引かれて車に乗った。
私はすぐに眠ってしまった・・・。
「先生・・・?」
目を覚ますと先生の家じゃなくて、知らない家だった。
「どこ・・・?ここ」
下を見ると白い大きめなシャツを着ていた。
「目、覚めた?」
「え?裕紀先生?」
上半身裸の裕紀先生がいた。
「なんで・・・?」
「兄貴に電話しといた。」
「え?なんで?どういう事?もしかして・・・」
「兄貴に言われたんだろ?別れようって」
「・・帰ります!!」
服を持って帰ろうとした。
「待ってよ。一杯ぐらいコーヒー飲んでいってよ」
手を取られた。
「一杯ぐらいなら・・・」
コーヒーを飲み始めた。
「・・・」
「兄貴と何があったの?」
「別れようって言われたの・・・。」
その夜はずっと話を聞いてもらっていた。
「ありがとう。裕紀先生♪先生と話してみる!」
そう言って裕紀先生の家をでた。
プップー!
「先生・・・」
先生の車が家の前に止まっていた。
「乗って。連れていきたいところがある」
「うん・・・」
朝早く。町を出た。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。