第18話

それぞれの物語
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2017/12/12 13:13
「離して!先生!ねえ!」

いきなりホテル街に!?

「ちょっと!」

ホテルの前で手を振りきった。

「何考えてるの!?」

「じゃあ、家にする?」

「・・・」

「兄貴のどこがいいの?三時間も待たせて、りんちゃんが悲しんでるときはいつもいないじゃん!」

「そ、それは・・・」

悲しむとき。助けてほしいとき。いつも隣にいるのは裕紀先生だった。

優しいけど、どこか強引で、頼れる先生。

「言い返せないじゃん」

「い、いつもて・・・隣にいなくて悲しいとき隣にいるのは裕紀先生だけど・・。私の旦那さんは、裕紀先生じゃなくて、智輝先生だから。もう泣かないし、どれだけ待たされたって、もう泣かないし大丈夫だから」

「なんだそれ!」

グイッ。

と無理矢理ホテルに連れ込まれようとすると・・。

「待てよ。裕紀」

「先生」

智輝先生だ。

「ちゃんと話すから。ここじゃなくて俺の家に

行こうか」

「うん」

先生の車で先生の家へ向かった。

「じゃあ。ちゃんと話つけるから寝てて」

先生と裕紀先生だけで話す事になった。

もう夜も遅いし。

「なんだよ。いいわけでもする気か?」

「いつまで俺を恨んでるんだ?遊びじゃないんだよ!

わかるか?」

「ふうーん。じゃあ兄貴はりんちゃんが妊娠したかもってとき隣にいたのは?」

「・・・」

「悲しいとき隣に居るのは?」

「・・・」

大きい声がして目が覚めた。

下に降りると先生たちがいた。

「なんだよ!そんなんで守れんのかよ!」

「守るのがすべてじゃない。そうだろ?」

「・・・」

「結婚したんだ。俺達は。愛し合って悲しんで抱き締めて、それが家族だろ?」

「家族・・・」

「そう。」

「なんだよそれ」

ドン!と裕紀先生が机を叩いてこっちに来る・・?

「お幸せに」

そう言って裕紀先生は家を出た。

「先生・・・」

ギュ・・・。

「愛してる」

「私も。先生・・・」

~その頃~

病院では、レレナちゃんが旦那さんと赤ちゃんをみていた。

「かわいいなー」

「ねえー♪前言ってた子はいたんだけどね。めっちゃ安心してね、すごくいい子なんだよ♪」

「そっか。よかったな」

新たな生命の誕生。

私はその日。先生と生きていくことを決心した。

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