女将の言葉を思い出す。
騎乗位でやりまくった……?
わたしの動きがあまりに気持ちよくて、たまらずイッてしまった?
なかなか床上手?
いや、確かに適当に誤魔化すとは言ってたけど……。
ーー沖田さん……。
いくらなんでも、……適当すぎる。
わたしの秘話は瞬く間に広がった。
「初体験であなた騎乗位で責めはったん? あんさん、やりはるなぁ」
「聞いたわよ。あんたって、見かけによらず淫乱なのねぇ」
お姉様方からなんど声をかけられたか。
わたしは、その度に変な汗をかいては、作り笑いを浮かべた。
数日後、遊郭へやってきた沖田さん。
「やぁ、この間はなかなか熱い夜だったね」
なんて冗談を言うものだから、わたしはジロリと睨んでやった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。