第10話

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2017/11/27 01:02

「沖田さん……ひどいです。いくら適当に誤魔化すって言っても……わたし、大変だったんですから……っ」


「あははは、だって普通じゃ面白くないじゃない」


「面白くなくていいです……女将やお姉様からなんて言われたか……わたし、恥ずかしくて……」


「いいじゃない。床上手って言葉、最高の褒め言葉でしょ? まぁ、実際は何もしてないけどさ。とにかく誤魔化せたんだから、感謝してよね」


「沖田さん~…」


沖田さんは、ケラケラと笑った。ひょうひょうとした態度に、なにも言えなくなってしまったのは、言うまでもないーー

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遊郭にて。


「こんばんは」

「沖田さんっ、今日も来てくださったんですね」

「うん」

「すごく……嬉しいです」

「ほんと? よかった」

いつもの笑顔、いつもの優しい口調。

わたしは彼に癒されていく。

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