第11話

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2017/11/27 05:13

一か月が経った。

あの一件があって、沖田さんは、頻繁に遊郭を訪れるようになった。

そして、決まってわたしを指名してくれる。


「今日はお土産持って来た」

「え、ほんとですか?」

「はい、砂糖菓子」

そう言って沖田さんは桜色の包み紙を差し出した。

開けると、鮮やかな金平糖が入っていた。

「うわぁ、すごくきれい……」

「いつもすぐに売り切れるんだ」

「っ……ありがとうございます」

わたしたちは、金平糖の話で盛り上がった。

沖田さんは甘いお菓子が好きだった。だから、いつもお菓子の話をした。

わたしは、沖田さんが楽しそうに話す姿を見るのが好きだった。

お菓子の話をする沖田さんは、子どもみたいだった。



それから、いつものように飲み交わした。

いつものようにおしゃべりをして、冗談を言って笑う。

お酒がなくなったら頼んで、また飲む。

それの繰り返し。

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