「沖田さん……お願い……です。今さら、ですけど……」
「はぁ、さっきからなんなの? 全然、先に進めないだけど。そんなに抵抗したいわけ」
「ぁ、す、すみません」
「いいから早く言ってよ」
「は、はい……もう…………やめたいです」
「ほんと今さらだね」
「……十分承知です。どんな仕打ちも受けます。女将さんに言ってもいいです。……どうしても怖いんです」
わたしはじっと見つめた。これまでにないほど、見つめた。この想いが伝わるように、願った。
しばらくして、沖田さんが小さく息をはく。
「そんなに怖いの?」
「はい」
「死ぬほど?」
「はい」
「はぁ……そんなに嫌ならいいよ」
「え、ほんと……ですか?」
「声を出さなかったら、やめてあげる」
そう言って沖田さんは、わたしのアソコに手を伸ばす。
ヌルリ。
沖田さんが中指で表面を滑らせていく。
クチクチュ……ッ。
「ッ、おきた……さ」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。