私はいつも通り美香に挨拶したと思う。
美香は一瞬笑ったけど、突然顔を固くして黙った。
その顔は泣きそうだった。
もう一度話しかけようとしたけど、そっとしておいた。
誰だって1人で考えたいこととかあるもんね。
教室のど真ん中から声がする。
1番派手なグループからだった。
優しくて私の親友のマリ。
そんなマリを私から奪った…ってかマリを独占するユキちゃん。
緊張知らずのナナコちゃん。
あとその取り巻き?
思わず声が出た。
だってあのグループに美香がいるんだもん!
なんで?
ゆずなは何か言いたそうに口を開いたけど、すぐに閉じてしまった。
多分、美香のことだろう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。