くらい。ひたすら暗い。
目を開けても暗闇しかない。
しかも腕を縛られている。足もだ。
もしや、椅子に縛られているのでは?
それならば、真っ暗なのは目隠しされているからだろう。
そう思っていたその時。
さとみと呼ばれたその人物は、話を進めた。
気持ちが……悪い。
使用人1『あなたがお食事届けなさいよ』
使用人2『いやよ。呪いの子なんて、気持ち悪いじゃない』
使用人1『その代わり給料高いでしょ?まだあなた様はなにもしてないんだから』
使用人1『それに、世の中には暴れまわる呪いの子もいるらしいのよ』
使用人2『それならまだましね……。旦那様の教育の賜物だわ』
使用人2『本当に。暁家でよかった…』
仕方がない。
だって私は呪いの子だもの。
気持ち悪くても、私が悪いんだ。
私は思わず声を出してしまった。
…普通に失礼では?
さとみさんという方の声は、るぅとさんという方を心配していた気がした。
≪ガチャ≫
外に出ていった音がした。
なんで……
なんでこの人は知ってるんだ……?
…この人どういうことだ?
まさか、呪いの子?
予知能力でもある?
思考を読まれてる?
この人たち、なんで余裕なの?
ってか場所が突き止められてる?
どうやって?
もう何がなんだか分からなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!