後半戦が始まった。前半とは相手の動きが見違えるほど速くなっている。
あっという間に1点返されてしまった。
あー、やっぱり遥が俺は好きなんだ。遥の応援する声を聞くと頑張れる。この試合に勝ったら遥に告白しよう。
俺は下を向いて心を落ち着かせた。
みんな口々に目が変わったと騒いだ。そう、俺は集中すると目の色が変わるらしい。(本当に色が変わるわけではない笑)雰囲気の問題だ。
後半残り時間が少なくなる。
光がパスをもらってどんどん攻めていく。そのままゴール前まで行くことができた。しかし、光は相手に囲まれる。
『ポスッ 』
ピッピッピー、ホイッスルが鳴った。
相手チームが泣いている。当たり前だ、全国大会の前で負けてしまったのは相当悔しいに決まってる。
集合して、試合が終わった。
光が抱きついてきた、2人とも汗でびしょびしょだ笑
みんなで叫んだことは一生の思い出だ。ほら、もう新しい記憶ができたじゃねーか。
俺は俺のやるべき事をやれたと思う。これからも遥の笑顔を守り抜いていきたい。
それから全国大会までの練習はきつくて辛かった。それでも優勝すると思ったら頑張れた。
遥との恋も上手くいっていた。
全国大会当日は暑かった。
みんなで声を揃えておー!!と言ったが、光だけがとても声が大きかった笑
そうして、全国大会の1回戦は勝つことが出来た。
それから勝ったかどうかは秘密だ笑
記憶がなくても大切な家族や仲間に支えられ、こんなにも大きく成長することが出来た。いつ戻るのか分からない記憶の上書きがされていく。
それが素直に口からこぼれた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!