私の彼氏、桐山照史が難病でこの世を去ってから1年が経った。
なぜだろう、一年が経った今でもまだ彼の事を忘れることができなかった。
「あなた?」
『あ、ありがとう。』
そう、この人は照史の親友の小瀧望くん、あの日から彼は私の近くにずっといてくれる。
今は大学のベンチで望くんが買ってきた飲み物を飲んでいる。
「あれからもう1年やね、一年って早いなぁ…」
『そうだね、早い、、照史元気かなぁ?』
「元気やろ?多分あっちでもバカやってんのやろうなぁ…」
『ふふ、そうだね、』
「なぁ、金曜の夜ごはん行かへん??」
『いいよーでもどこいくの?』
「ちょっとなぁ…行きたい場所があんねん。」
"あなた〜!授業始まるよー"
『あ〜まって!行く行くー!じゃ、また金曜ね、望くん、』
「おう!授業がんばれよ!」
と言い、私は授業に行った。でも、この元気は空元気…本当は全く回復なんてしてない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!