第35話

story *李奈side*
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2018/01/08 04:54
どうしてだろう。
今朝、たまたま山田くんと翼ちゃんが楽しそうに二人で歩いてる所見ちゃって、そしたら、
胸が苦しくて、辛くて。
これって…好きってことでしょう?


私は山田くんのことが好きなんだ。と、
確信した時、
偶然そこを通りかかった知念くんに捕まって。
それでジャケットを返すついでにと、
Hey!Say!JUMPの楽屋まで連れてこられたんだ…。
山田涼介
山田くんは何も言わず、じっと私の方を見てる。
きっと面倒くさいとか思われてるんだろうなぁ。
ファンのくせに、って…。
無理だってわかってる。
報われない恋だってわかってる。
でも、止められないんだよ。
私、本気で好きになっちゃった…。
広瀬 李奈
私…好きです。
Hey!Say!JUMPの山田くんも、
目の前にいる山田くんも。
ちゃんと、ハッキリ告白できた…。
私の気持ち、ちゃんと山田くんに届いてるかな。

私を見つめる山田くんの顔はどこか切なげで、
とても悲しそうに見えた。
その顔を見て、
あぁ。これから私、フラれるんだ。
そう、感じ取った。

でも、こんな風に山田くんを独り占めできて…
Hey!Say!JUMPのファンには恨まれちゃうんだろうけど、フラれても、私は幸せ者だと思う…。
そう、フラれる覚悟を決めた時…ー
山田くんの手が私の腕をギュッと掴み、
ふわりと爽やかな花の香りに体を包み込まれたかと思うと、
広瀬 李奈
…えっ…?
ダークブラウンの山田くんの髪が揺れて。
山田くんの綺麗な瞳が見えたその一瞬。
私は、山田くんの胸の中に閉じ込められるように抱き締められていた…ー…。

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