第38話

story *李奈side*
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2018/01/16 10:24
涼くんと付き合って、もう1年。
1年経った今でも、
涼くんが隣にいるだけで
ドキドキするのは変わらない。
変わったことといえば…

"付き合ってるのに名字呼びって何か嫌だ"
と、山田くんに言われて、
山田くんのことは"涼くん"と呼ぶことにした事と、

ため口で話せるようになった事…くらいかな。


それより!!
今私は涼くんの部屋の中で1人、
あるTVに夢中になっています!

…それは、紅白歌合戦!!!

なんと、今年はHey!Say!JUMPが初出場なんだ♪♪
いつも隣にいる人がTVに映るってなんだか変な感じだけど、TVに映る涼くんは凄く輝いて見える…。
司会者
それでは最初に歌って頂くのは…
初出場のHey!Say!JUMP!!
そう司会者が言うと、
Hey!Say!JUMPが登場した。
メンバー全員の顔がドアップで映っていく。
…涼くんは…
お客さんに向かってウインクした!

すると、

《「きゃー!!」》

という歓声が上がる。
司会者
さぁHey!Say!JUMP。
今年どんな1年でしたか?
山田涼介
そうですねぇ。
僕達…今年で10周年なんですけど、
10周年の最後にこうして紅白に出られることが
本当に良い思い出になりますし、
今年は映画やドラマの主演などが決まって…凄く充実した1年だったなぁと思います。
司会者
はい!そんなHey!Say!JUMPに歌っていただけるのはどんな曲なんでしょうか?
山田涼介
僕達が今日歌わせて頂く【Come On A My House】という曲は振り付けがわりと簡単にできていて、
皆さんで楽しめる曲だと思うので…
なので是非、
宜しければ一緒に踊っていただけたらと思います!
司会者
はい、ありがとうございます。
それでは、早速歌っていただきましょうか。
Hey!Say!JUMPで、
【Come On A My House 】
司会者の合図に合わせ、曲が流れ出した。
そしてその曲に合わせて踊りながら歌う涼くんに思わず見惚れてしまう。
彼の歌声が全てをのみこんでいく…。
なんだかいつもの涼くんじゃないみたい…。

涼くんと付き合ってからこうして1人、
TVに映る涼くんを見るのは初めてだ…。



ねぇ、涼くん。
光り輝くステージに立つあなたは、ただ眩しくて。
離れた所にいる私には、ただ眩し過ぎて。
手を伸ばしても届かないほど、
遠い存在のように思えちゃうの…。
何でだろうね、
いつも隣にいてくれている人なのに。
まるで別人のように思える。
そんなあなたの隣に相応しい人間になりたい。
今の私じゃあ、きっと涼くんが胸張って俺の彼女です!なんて、公表できない。
涼くんが、
未だに世間に公表しない理由はきっとそれ。
一般人でただのファンだった私。
特に何も取り柄のない人間なのに何で付き合えて?ってきっと、涼くんファンに言われてしまう。
苦しいほどに切なくなる胸を、
ギュッと押さえながら、
しっかりと涼くんが歌う姿を焼き付けた。



Hey!Say!JUMPの曲が終わり、
次のアーティストになった瞬間、
なんだか体中の力が抜けてしまった私は
いつの間にか眠ってしまっていた。

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