第2話

正直、僕に助けられてますよね。
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2017/11/22 09:51
学生っていうのはなかなかに大変で、ネットの情報、流行りに乗らなければいけない。でも、それ以上に大変なのは人間関係だと思う。先生と生徒。先輩と後輩。友達。恋愛。

私は人間関係の悩みは少ないほうだと思う。友達もいるし、先生からそれなりの信頼もあるし、先輩後輩とも上手くいっている。そんなことを知ってか知らずか、目の前の奴はまたもやこの前と同じ話をしてきた。

「僕ー、人見知りなんですよー」
「嘘つけ」

するとまたふざけた真顔をしてきて、「ちょっと聞いてくださいよー」と言ってきた。

「だって、知ってる人とかだったらまぁ喋れるんですけど、知らない人とは喋れなくないですか?」
「だから、それが普通でしょ」
「あなたって人見知りですよね」
「は?」
「コミュ障ですよね」
「………」

事実だった。私は本当は極度の人見知りだ。自分から話しかけられない。話しかけられても、答えるだけで、そこから話を広げられない。仲良くなれば『ノリがいい』『面白い』『頼りになる』などの良いことを沢山言ってもらえる。でも、そこまでが大変。

「正直、僕に助けられてますよね」
「は?何が」
「僕が話しかけないと、喋れないじゃないですか」
「………うん」
「いや、素直ですね!」

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