第16話

アイス。
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2017/12/22 07:18
結局ふうちゃんとのお揃いのキーホルダーを買っていた。お互いのイニシャルが入ったキーホルダーだった。シンプルなものだけど、春樹からプレゼントが貰えるふうちゃんが羨ましかった。

買い物が終わってから、春樹と一緒にアイスを食べた。真冬の冷たいアイスは私の体を冷たくした。

「さみー、けどうまーい!」

隣で笑いながら食べる春樹。この隣にずっと居たいと思った。ずっとこのままで居たいと思った。叶う訳がないのに。

寒い寒いと言いながらアイスを食べ終わった。

「そろそろ帰るか」

あえて私から切り出した。このままずっと一緒にいると離れられなくなる。

「そっすねー、冬は暗くなるの早いっすからねー」

春樹も頷いた。帰り道は春樹が家まで送ってくれた。

「別に良かったのに」

私は送らなくてもいいと言ったのに、春樹は「まあまあ」と言いながら家まで送ってくれた。

「じゃあね、始業式にまた」

そう言って私は家に入った。

さっきのアイスで体は冷たかった。それなのに春樹のことを考えるだけで、一気に温かくなった。

春樹のことを好きすぎる自分が嫌になった。





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