グループのLINEを見て大体のことは察した。
リオがハブろうって言ったんだ。だけどうちのクラスのメンバーはハブらないと決めた。ユリのクラスはハブることにした。
最低だ。
このことをユリに伝えるべきかどうか悩んだけれど、正直に伝えることにした。黙っていたってどうにもならない。
「ユリ、これ見て」
私がLINEの画面を見せると、ユリはスマホを手に取った。何も言わず、表情も変えずに画面を指で動かしていく。最後まで見終わると、大きなため息をついた。
「どうする?リオに直接殴り込みでも行く?」
半分冗談、半分本気で聞いてみた。それがユリにも伝わったらしく、
「あはは、殴り込みかー、いいかもねー」
と、笑っていた。
「でも、いいや、別に」
真剣な表情で言った。
「リオからどう思われてても、私の人生にそんなに影響ないでしょ」
「いや、今現在、皆からハブられるという影響が出てるけど?」
「いいの、どうせもうすぐ受験で、卒業して、お別れなんだから」
さっきまでとは別人のように、はっきりとした口調だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。