第22話

殴り込み。
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2017/12/26 23:37
グループのLINEを見て大体のことは察した。

リオがハブろうって言ったんだ。だけどうちのクラスのメンバーはハブらないと決めた。ユリのクラスはハブることにした。

最低だ。

このことをユリに伝えるべきかどうか悩んだけれど、正直に伝えることにした。黙っていたってどうにもならない。

「ユリ、これ見て」

私がLINEの画面を見せると、ユリはスマホを手に取った。何も言わず、表情も変えずに画面を指で動かしていく。最後まで見終わると、大きなため息をついた。

「どうする?リオに直接殴り込みでも行く?」

半分冗談、半分本気で聞いてみた。それがユリにも伝わったらしく、

「あはは、殴り込みかー、いいかもねー」

と、笑っていた。

「でも、いいや、別に」

真剣な表情で言った。

「リオからどう思われてても、私の人生にそんなに影響ないでしょ」
「いや、今現在、皆からハブられるという影響が出てるけど?」
「いいの、どうせもうすぐ受験で、卒業して、お別れなんだから」

さっきまでとは別人のように、はっきりとした口調だった。








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