第30話

号泣。
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2017/12/28 07:34
長かった卒業式が終わって、教室に帰った。鼻をすする音が教室を満たしている。もちろん私も例外ではなくて、泣かないと思っていたけれど、意外にも涙が出てきた。心の中は冷めていたけど、それなりに学校生活を楽しんでいたからだろう。

教室で担任からの話があり、1人ずつクラスメイトへの思い出を語った。親への感謝の気持ちを伝えて、全員で写真を撮って、教室をあとにした。靴箱では全学年の先生が待っていてくれて、私たちの涙を誘う。

校門を出たところで例のメンバーと思い出を語っていた。

「もおっ!ほんと、にっ!」

予想はしていたけど、ユリは号泣している。

「ユリ、泣きすぎだろ」

冷たい言葉をかけるのは春樹だった。卒業式の時は自分だって泣いていたのに。まあ、確かにユリは泣きすぎのような気もする。

「私たちはさ、高校も一緒じゃん?」

私がそう声をかけると、余計に涙を零した。なぜだ。

「他の、子、はー?」

そう言ってさらに泣き出した彼女を隣で支える彼氏。どこまでもリア充なヤツらめ。

「もっかい、お礼、言ってくる、」

泣きながら担任の元へ歩いていく。視界がぼやけているのだろう。足元がおぼつかない。それを支えるように、シュンもついていく。

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