前の話
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ピロリん♪
暇つぶしにケータイをいじってたら誰かからLINEがきた。
(誰からだろー……)
「えっ!?」
瞬きを何度もして、何度も何度も摩擦で痛いぐらいに目をこすった。
それでも、確かに
"好き" という文字は目の前にあった。
「いやいや。 まさかねーw」
だって、あの"奏嘉"が私のことが好きだなんてw
ぜっっったいにある理由がないよ。
まぁ、私も優しいからね。
既読無視はせずに「誰と間違えたの?w」ぐらい送ってあげy…
……
(おいおいおい。 待て待て待て!!)
何がどうなってこうなった?
別に奏嘉と特別とっても仲良い訳じゃないし、好かれるような事もやってないし…
「あっ」
もうこの可能性しか考えられないわ。
てか絶対にそうだな。
ピコん
「既読はやっっ!!」
「嘘でしょ…」
本当に信じられない。
怖い。
なんで急に告白なんてするのよ。 馬鹿、
返事…。
奏嘉のことは仲のいい友達だと思ってた。 だから___
奏嘉、呆れてるかな?
怒ってるかな? それとも泣いてる…?
私だったら…
そんなの…無理に決まってんじゃん。
そんなのただ、奏嘉が苦しいだけじゃん。
でも、そんなこと奏嘉には言えない。
私には言う資格なんてないんだ。
これで奏嘉との会話は終わった。
奏嘉に謝りたい気持ちが積もりに積もって、
今の私の気分はどんより曇り空___
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。