貴方said
『えーっと…ここだよね…??』
『ん~置く場所は…ここでいっか。』
ガチャ
え…今、ドアの音がした…?
なんで…?ここには私だけなはず…
?「あんた、慧くんのなんなの?」
え…………
『美咲…さん…』
美咲「ふふ、どーも。」
『なんでここに…』
美咲「ん~殺すため...?」
『え...』
その言葉を放ったあと、手に持っていたものは…
まるで終わりの合図かのように
キラリと光る包丁__。
美咲「死んでもらわなきゃ...イライラするから♡」
『な、なんで…』
『私…こんなことされなきゃいけない覚えなんて…』
美咲「は?私の慧くんに近づいたのはどこの誰~??」
『そ、それは…』
美咲「チッ 私の慧くんに近づく奴なんて…許さない。」
『お願い…やめて…』
美咲「何言ってんの?ww やめるわけないじゃん。」
美咲「お前なんかいらないんだよね~馬·鹿·女♡」
美咲「んじゃ...さよなら。」
?「誰が馬鹿女だって?」
美咲「え...」
『え...』
美咲「慧くん…どーしてここに…」
慧「ん~勘?」
『い、伊野尾さん…』
伊野尾さんに会えた嬉しさ、
助かるかもしれない希望。
いろんな感情が混ざって、無意識に
《伊野尾さん》と言ってしまっていた。
慧「あなたちゃん、助けに来たよ」
『いの、お、さん………グス』
私は安心したせいか、右目からも…左目からも…
涙が溢れだした。こんなに泣いたことは
ないんじゃないかと思うくらい、涙が出てきて
止まらない_____。
美咲「慧くん…なんでこんな奴なんかに優しくするの?」
美咲「こんな奴、邪魔でしかないじゃん...。」
美咲「慧くんはまだ私のこと…愛してるよね?」
『え…愛してるって…もしかして…』
『伊野尾さんの…元カノなの…?』
慧「そーだよ。元カノ。」
美咲「ねぇ、慧くん?私は…元カノじゃないよ?」
美咲「だって…今も付き合ってるでしょ?」
慧「誰が"今も付き合ってる"なんて言った?」
慧「俺は付き合ってるつもりないけど?」
美咲「そんなの嘘…まだ…まだ付き合ってる!!」
慧「もう終わったんだよ!!!」
美咲「っ……………」
『伊野尾、さん…』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。