第26話

第二十話 光瑠と光璃
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2018/01/06 04:53
キーンコーンカーンコーン

まなか「おはよう!」

チャイムギリギリでまなかが教室に入ってくる。

霧絵「間に合って良かったね、まなか。」

まなか「うんっ、危なかった!って、あっ!!!」



まなかが見た先には、七星 光瑠と七星 光璃がいた。

光璃「はじめまして、でいいのかな?七星 光璃です、よろしくね。まなかちゃん。みんなから、まなかちゃんのことは、
聞いてるよ。体育祭、見に行きたかったな〜。」

光瑠「へぇ〜、この子が?」

まなか「はじめましてっ!私、冴草 まなか!」

光璃「よろしくね。聞いていた通りの明るさね、さすが。」

光瑠「あぁ、そう言えば忘れてた。俺、七星 光瑠。よろしくー。」

まなか「うんっ!」

七星 光璃(ななせ ひかり)。C組のマドンナ的存在であり、性格も穏やかで、第一校舎の男子生徒からも人気が高い。


七星 光瑠(ななせ ひかる)。成績も優秀で、運動神経も抜群だが、素行不良が多く、C組になったのも
それが原因である。

霧絵「光瑠、もう大丈夫なの?」
光瑠「あぁ、もうへーき。」
光璃「もう危ないことはしないでね、光瑠。」

笑心「本当に大丈夫なんだか。」
光瑠「大丈夫、大丈夫。笑心も今度一緒に遊ぶ?教頭のズラ取りに行かね?」
笑心「また、あんたは。」
光璃「教頭先生って、アレ、ズラだったのね。」
真面目な顔で光璃が言う。
小夜「ひ、光璃ちゃん……。」

霧絵「光璃、そこじゃないでしょ。光瑠もまた怒られるよ。」
光璃「きりちゃんは相変わらず、おねーちゃんみたい。」
光瑠「大丈夫、大丈夫。写真撮ってバレないように脅せばいいし〜。」
霧絵「そーいうことじゃないけど。」

光瑠「まなか、だっけ?体育祭どーだった?」
まなか「すごく楽しかったよ!美都ちゃんはB組に行っちゃったけど……。」
光璃「でも。それは美都ちゃん自身が決めたことでしょ?誰のせいでもない、ね?光瑠。」
光瑠「あぁ。美都が選んだことだと思うよ。」

まなか「私、いつか美都ちゃんが戻ってこれる、そんなクラスにしていきたいな。」
小夜「まなかちゃんっぽいね。」

まなか「なら、美都ちゃんが戻ってこれるようなクラス、っていうのはどう?」
笑心「親しみやすいとか、そーいうの?」
景「目標か?それ。」
みちる「目標よりも、クラス像って感じかな。」
潤「決めようよ、クラス像。」




光瑠「俺はやらないよ?」
まなか「え?」

光瑠「俺は、そーやってしばられるのは気にくわない。だから俺以外でやってよ。」
笑って光瑠は言った。
光璃「光瑠?」
霧絵「ちょ、光瑠!」

光瑠「今回のテストも聞いたよ、平均以上取るなんて俺は楽勝だけどみんなはどう?無理でしょ。」
樹「お、お前!まだ、そんなこと言って…!」

まなか「間違ってる、光瑠くんは間違ってるよ。」
光瑠「なんで?」
まなか「みんなでC組。だからみんなで目標も決めるんだよ!」

光瑠「俺はそんな仲良しごっこに付き合うつもりはないよ?
まなか自身が何をしようと俺には関係ない、でも。俺までごっこの仲間にさせるつもりなら……
潰すよ?」
その顔は、決して笑っているとは言えない、本気の顔だった。

まなか「で、でも…」

光璃「ひ、光瑠っ、喧嘩はだめ。ね?」
光璃が光瑠を止めに入る。
光瑠「……っ、分かってるよ。じゃあ、帰るわ。」
光璃「ちょ、ひ、光瑠!?ま、待って!」
そうして、光瑠と光璃が教室を出ていった。



霧絵「まなか…」
まなか「私っ、ちゃんと話したい!」

樹「あいつらは無理だろ。」
まなか「だ、だって、このままじゃ……!」
笑心「気持ちはよく分かるけど……。」

霧絵「光瑠はもう…心を開いてくれない…だって……、」

霧絵は重い口を開けて話し始めた。

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