第26話

居ても良い
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2019/03/20 02:36
二人のやり取りを見ていた敦と四十谷だったがあなたが頷くのを見て敦が四十谷より先に動く。

四十谷に重い蹴りをお見舞いする。
苦しそうな呻き声うめきごえを小さく発する。
其れを見てあなたが弱まっていた異能をまた強くする。
あなた

敦、此処は私が。
でないと私は…!

鏡花
だ…駄目!異能を弱めて…!
鏡花が叫ぶがあなたには聞こえていない。
四十谷を倒す事のみが頭を支配している
あなた

四十谷…!
敦と鏡花に手を出すな!目的は私何だろ?

四十谷
確かに私の目的は貴女を連れ帰る事です。
ですが私の私情を挟んでも宜しいのなら貴女の進む未来みちを進みたい未来みちをいかせたいのです。
蹴られた腹部を押さえながらあなたを見守る親の様なことを云っている。
あなた

う、五月蝿い…!
私の帰る場所は無い、其れに私の未来みちなど今から見つけるの、鏡花達と!
私はあの場所へは行かない、約束を果たすために!

ゴウッと先程より強い炎を燃やす。
其の状態で動くのなんて不可能に近い。だが其れを力としているのか四十谷の懐に一瞬で入り込んでしまった。

左足を軸に燃える右足で蹴りをお見舞いする。
鏡花以上に酷い火傷を負う。服は焼け皮膚は爛れ、一番長く当たった部分は骨が薄く見えている。
四十谷
っ!!
痛みに耐えながら小さく呻きよろける。
其の一瞬を逃さずあなたは二撃を入れる。
右足を軸にやはり燃えている左足で腹部を狙う。
四十谷は右腕で腹部を庇うガードする。
四十谷
っ!!!
先程同様の怪我が出来る。
四十谷
あなた様。
流石です。此れで鏡花様達の協力が得られたらあの人達・・・・に立ち向かえますよ
痛々しい怪我を負い、そう告げると痛みに堪えるような笑みを浮かべ、それでは、と告げて軽い足取りでビルに上がり走って行った。
あなた

ま、待て!!

其れを見てあなたは四十谷を引き留めようと声を上げるが四十谷には届かない。

プツリと糸が切れた様に炎が消え、其れと同時にあなたの気を失い倒れる。
鏡花
あなた!
あなたちゃん!
鏡花と敦が側に駆け寄り、確認する。
鏡花
息はしているけど、火傷が酷い…。
でも、服の損傷は少ない…どうして?
敦の云う通り服の損傷は所々が焼けているだけ。
鏡花
そんな事より早く与謝野さんの所へ、先に連れて行って…!
判った、また後で!
敦はあなたを抱え探偵社へと向かう。

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