第23話

1,696
2018/11/24 04:25
四十谷
そ…んな……。
た、確かにあなた様は私の事などお忘れになられて仕舞っていても無理は有りません。
寂しいようなそれでいて悲しいような顔をする。

すると、スッと表情を変え、低く辛そうな声で云う。
四十谷
ですが、私が連れて戻らなければ貴女が苦しむことに成って仕舞います。それだけは私は見ていられません。
なので力業を使ってでも連れ帰ります。
云い終わると同時に四十谷はあなた達の方に走り込み、3歩程先で飛び上がり右足の踵を振り下ろす。が、その踵落としはあなたにも鏡花にも当たらず、アスファルトに大きな亀裂が生まれる。
鏡花
なんて力なの…?!
あなた

(あ、れ?何で避けられたんだろう?)

あなたは自分が何故避けられたのか謎に思いながらも自分が四十谷の狙いだと思いだし鏡花を見ると、鏡花は戦闘体制をとり、短刀を構えた。
あなた

鏡花、彼奴の狙いは私。鏡花は探偵社…鏡花の居るべき場所に戻って。
私なら一人で出来る。

あなたは何故かそう言えた、"一人で出来る"と。
四十谷
あなた様、手荒に成って仕舞う事を御許し下さい。
四十谷は走り、右足を軸に左足であなたの右首筋をめがけ蹴りを入れようとする。

が、あなたが腕で其れを阻止する。
あなたは顔を歪ませ、軽く飛ばされ、鏡花に当たり止まる。
鏡花
うっ…大丈夫?
鏡花は顔を歪ませて云う。
あなた

大丈夫。鏡花は?

鏡花がコクりと頷き、また短刀を構える。
四十谷
あなた様は自分の"力"もお忘れに成って仕舞ったのですね。
鏡花
"力"?
四十谷は先刻よりも一層悲しそうな顔をして云う。
四十谷
はい。あなた様は、泉鏡花様や貴女の御仲間…探偵社の調査員の皆様と同じ異能力者なのです。
鏡花
だから、避けられたり防いだり出来た…。
鏡花はあなたの事を見て呟く。
あなた

私が…異能力者…?

プリ小説オーディオドラマ