ようやく迎えた休み時間。
休み時間になっても、私の心のモヤはなくならない。
大丈夫と言っても、愛衣ちゃんは心配そうな顔をする。
...迷惑かけてごめんね。
...ぐうの音も出ないって、こういうことなんだね。
そうだよ。
今の私はズルいよ。
...最低な女だよ。
愛衣ちゃんの言う通り、こんな女に嫌気が差したんだと思うの。
悪いのは全部私。
────私が司と別れて、修哉と幼なじみを続ければいいの?
気がついたら、涙が溢れてた。
そんな私を見て、愛衣ちゃんまでも、泣きそうな顔をする。
...親友である愛衣ちゃんまで、私が傷つけちゃったんだ...。
...私がいなくなれば、事は治まるかもしれない。
いや、きっと治まる。
それでいい。
もう誰も傷ついてほしくない。
そう言って、私は走りながら教室を出た。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。