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第53話

これでいいんだ。
1,026
2018/05/20 12:07



その後司は家に帰り、私は修哉たちがいる場所へ戻った。


















朱音
朱音
...お待たせ。





気まずい空気が流れる中、そう声をかけた。















が、









愛衣
愛衣
おかえり!
灸人
灸人
...大丈夫だった?









...声をかけてくれたのは、修哉を除いた人達だった。









やっぱり、怒ってるよね。










この角度からじゃ、修哉の顔は見えないが、オーラからして、そんな気がした。

























修哉
修哉
...よかった、お前が無事でっ...









……え?












彼の顔を覗き込むと、心底安心したような顔をしていた。


















修哉
修哉
あんな変態じじいに襲われかけたあとに、また1人とか心配するだろうが!!!





そう言って、私の頭を思いっきりチョップしてきた。










朱音
朱音
い、いたああああああああああい!!!
朱音
朱音
手加減というものを知ろうよ!!!!
修哉
修哉
...これで済んでよかったと思えバカ女。
朱音
朱音
はあああああああ???








心配したり、毒を吐いたり...







ほんと、なんなのよ、こいつ。




















修哉
修哉
もう1人で悩むなよ。

お前は俺の幼なじみだからな!!

なんかあったら言えよ!
朱音
朱音
...っありがと!!












「幼なじみ」













この言葉が、フラッシュバックする。












やっぱり、修哉にとって私は、ただの幼なじみ。











それを、今すごく痛感した。
















...司と別れて、修哉と幼なじみでいることにしたはずなのに...

















...私って、わがままだなぁ。

















こんなずるい私だけど、できれば振り向いてほしい、なんて思っちゃうんだ。
















...そんな権利、ないけど。















だって私は、“尻軽女“だからね。
















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