第25話

コンクール当日
1,235
2017/12/10 11:53
────今日はコンクール当日。


それぞれが、高鳴った心を抑えながら本番に挑もうとしている…はず。


だけど、私はそれどころじゃない。
朱音
朱音
…今だけは、成功させることだけを考えて。
大丈夫、今日まで辛い練習を頑張ってきたんだから…
それに…みんなの足を引っ張りたくない。
横斜め後ろを見れば…修哉がいる。
…コンクールなのに余計なことを考えてしまうのは、この人がほぼ原因。
もうすぐ出番だ……やってみせる。


「エントリーNo.6 美鈴高校」
私達の学校だ。



足音も減点対象だから、パーカッションは特に気を張らなくちゃいけない。


顧問の杠先生の指揮で、皆息を吸い、曲を始める。

審査員に私達の努力が伝わるよう、丁寧に演奏する。

何度も言われ続けてきた、ここの強弱。

大袈裟なくらいクレッシェンドして、ピアノに落とす。

よし、上手く行った!!!


あとは、トランペットのソロでフィナーレ。


…ここは修哉のソロだ。



順調…でもこのあとに高いHが…。

う、上手くいった!!!

よして…ppからクレッシェンドしてffに持っていく…!


顧問のキレのよい止めで演奏が終わった。


拍手が沸き起こる。



この時の達成感は、いつ経験してもすごい。
先輩
みんな、お疲れ様!!!
朱音
朱音
お疲れ様でした!!!
あとは…結果発表を待つだけ…。



吹奏楽部のコンクールはちょっとめんどうで、
金賞、銀賞、銅賞で別れていて、1番低いのが銅賞なんだ。

よく3位って勘違いする人がいるからここ注意!

また、金賞にも2つあって…

ゴールド金賞 と 金賞。



ゴールド金賞 じゃないと県大会には進めない。


「No.5 銅賞」
もうすぐだ…
「No.6 美鈴高校 銀賞」



…県大会、行けなかった…。
帰りはみんな沁沁してて…心地悪い。


「「さようなら」」
今年のコンクール…終わっちゃった。


───悔しい。
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※パーカッション ←著者はこれですw

打楽器隊のこと



※高いH

普通の音より1オクターブ高いシ

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